山内絵里 / Yamauchi eri

Persona & Versatility

山内絵里 / Yamauchi eri

植物を見る

梅雨時になって、緑が映える時期。幼少から今に至るまで、多くの植物を見てきたが、名前の言える植物は少ない。名前というものを覚えるのが、本当に苦手なのだ。

しかし名前以上に、色、形、性質、なぜそこに在るか、同じ”緑”で塗りつぶしてしまうには、申し訳ないほどの個性があることは、なんとなくわかる。
なんとなくわかると、怖くなり、描くことに躊躇する。

そんな思いで、子どもの為を名目に購入した植物図鑑を眺める。

絵描きは「知ったような気になって」絵を描くのではないかと、最近思う。

だからこそ、図や、配色、形を捉えることが得意であっても、良い絵を描くためには、描かれるものとの調和がとても大事であることを、強く思わせる。

それにしても、草と木。や、蔦を絡ませたり、逆に高く高く伸びたりするものが混在する植物の世界。
私は人物を描くのが好きだが、人は骨、臓器を筋肉や血管、脂肪、筋膜様々なものぁら成るわけで、地球上の緑にもそのようななにかがあるのだろうか。

草むしりの季節に、緑のかたちを思う。